JJでございます。
接客販売業を始めた、まだ若い時には知らないことがたくさんありました。
その一つに
「縁起を担ぐ、験を担ぐ」方がかなりいらっしゃるという事でした。
それまでは、日めくりのカレンダーに書いてある
なんとなく、「大安」は良い日で「仏滅」は良くない、
くらいの認識でした。
大安・仏滅は”六曜”、または”六輝”と呼ばれる暦法の一種です。
古代中国では、時間を区切るものとして使われており、
太陽が昇って日が落ちるまでを3つ、
夜に入ってから日が昇るまでを3つ、
というように、1日を6つに区切り、六曜を当てはめていました。
日本には、鎌倉時代~室町時代に伝わってきたとされ、当初は時間の吉凶の占いに使われていました。
現在では、暦によると、以下のような内容になっています。
先勝:先勝日の略。この日は急用や訴訟などに用いて吉の日とされています。午後は凶。
友引:友引日の略。この日は午前中と夕刻と夜は相引きで勝負なしの吉日です。
ただし昼は凶。この日に葬儀を行うと死者の道連れにされる恐れがあると言われています。
先負:先負日の略。この日は静かにしているのが良いとされ、特に公事や急用は避けた方がよいとされ
ています。
仏滅:仏滅日の略。移転、開店、新規事業はもちろんのこと、陰陽道に於いては
全てのことが悪い凶の日。
大安:大安日の略。この日は婚礼、建築、移転、開業などすべての事が吉の日。
赤口:赤口日の略。この日は赤口神が衆生を悩ますため、何事をするのにも悪い凶の日。
ただし、正午のみ吉。
特に家電品は、婚礼品一式・新築一式・独り立ち一式など、
お慶びのお品としてご購入される方も多く、
配達搬入日・工事日・配送日の吉凶をほとんどの方が気にされていました。
私はいつからか、毎年9月頃には次の年の暦を購入し、手元に置き、チェックするようになりました。
日時に余裕を持ってご購入される方はご希望の吉日をお選びいただけるのですが、
どうしても、凶の日に当たってしまうこともあります。
リビングのエアコンが壊れてご購入いただき、工事日が午前の予約のお客様でした。
お客様:「この日は赤口やから、正午ぴったりに工事終わらしてや、絶対やで。」
JJ:「努力はしますが、正午ぴったりは難しいです。」
お客様:「赤口やで、赤口なめたらいかんで。なんか起きたらどうするん?」
JJ:「何かってどんなことですか?」
お客様:「動かんなったり、水が漏れたり、漏電したりや。」
JJ:「専門の業者が取り付けるので大丈夫です。メーカーの保証もあるので大丈夫です。」
お客様:「前のエアコンも赤口の日に取り付けたらすぐ故障したんよ。赤口は怖いんやで。」
そうでした。これは、デジャヴ。
以前にも、同じ会話をこのお客様とした覚えが。
ボロボロのフタの壊れたリモコンを持ってきて、不良品だと大騒ぎした方。
JJ:「赤口日が関係あるんですかね。」
お客様:「あるに決まっとる。突然、風が出んなるんやで。怖いやん。赤口の祟りや。」
JJ:「そこまで気にされるのでしたら、一週間ずらして次週の大安の日にしたらどうですか。」
お客様:「次の週は家族で旅行やねん。無理。でも、暑いから早よ来て。」
という感じが大体です。
なぜか、このお客様のご自宅では、家電製品の不具合が多いのです。
そういうお客様はいらっしゃいます。
また、そのお話は後日。
工事の業者には一応、お客様の希望をお伝えするのですが、あまり、良い反応ではありません。
どうしても、吉日をお選びいただけない時には、中段十二直と二十八宿で良い日をお選びして、
お客様に安心していただくように努力しています。
日本の暦は本当に奥が深いのです。
まだまだ、続きます。