ひとたがい1

JJでございます。

私は、どちらかというと記憶力が良い方です。

3歳ころには、画板の裏の世界各国の国と国旗をすべて覚えていたそうです。

まったく記憶にありませんが。

まあ、3歳ころは人間の一生の中でも記憶力が特段に良くなる時期だと

言いますし、そのころに特別な教育を受けていれば、人生が変わっていたかもしれません。

仕事を始めた時、主に接客業でしたが、とにかくお会いした方の顔と名前を

覚えることに必死でした。

いただいた名刺には、忘れないうちにその方との会話の内容や、

洋服や髪型の特徴などをすばやく裏に記入して自分なりの

名前の覚え方を実行していました。

一番、苦戦したのがコンビニを始めたときでした。

じっくりと接客をする業種ではないので、相手のお名前は

ポイントカードの裏に記入があれば、覚えられますが

コンビニのポイントカードなどに名前を律儀に書いてくれるお客様は

少なかったので、お客様の特徴で覚えるしかありませんでした。

特に、立地が海岸沿いの工業地帯の中にあったので、

主に、事業所や工場で働く方がお客様でした。

2~3回来客されると、たばこの銘柄を覚えておいてくれるのが

あたりまえのような方たちばかりだったので、

たばこを吸わない私には、未知の商品でよく

ニコチンの量を間違えた商品を出しては、

「こんな重いの吸えんわ!わしを殺す気か!」

などと叱られたものです。

たばこを吸ってる時点で私の中では

”全部、一緒だろ!”

と思っていましたが、なんか、お客様曰く

”のどにいい”とか

”いいにおいがする”とか

”これ吸ってるともてる”とか

”あたまがよくなる”

という未知の存在のたばこが存在しており、

半年くらいするとお客様が入店された時点で

カウンターにたばこを用意できるようになりました。

顔とたばこの特徴を覚えるのは、

お客様との会話がきっかけの事が多かったです。

作業服のお客様も多く、

作業服にも、ブランドがあり、

”トライチ”といった定番のブランドなどの存在も

お客様に教えていただきました。

トライチのグレー系のニッカポッカに黒の長袖の加圧シャツ、

頭には大判タオル巻きといったファッションの方が数多くいらっしゃいました。

よくパンを買ってくださるお客様がいらっしゃいました。

20代後半でタオル+加圧シャツ+ニッカポッカのファッションでいつも

来店されていました。

もう一方、ペペロンチーノパスタを毎日買ってくださる

同じファッションの方もいらっしゃいました。

パンを買ってくださるお客様とは、よくお話をしていたのですが、

ペペロンチーノのお客様は無口な方で会話したことがありませんでした。

ある日の夕夜間、パンのお客様がレジに缶コーヒーを持ってこられたので、

「この前の新商品のパン、どうでした?美味しかったでしょ!」

と話しかけました。

すると、少しの間があり、

「うん、ああ、おいしかったよ」

と言ってくださいました。

「良かったですー!」

と会話をして、お客様はお帰りになりました。

それから、10分くらいして、レジに

「店長ー、こないだのコッペパンすごーく美味しかったよー」

とパンを3つ持ったお客様が立っていらっしゃいました。

えっ。

あれ?

えーーーーーっ。

間違えたーーーーー!

さっきのお客様、ペペロンチーノのひとだったよーーーーー。

言い訳じゃないですけど、

お二人は本当に背格好、年頃、ファッションもよーーーーーく

似ていらっしゃいました。

ごめんなさい、間違えましたーーーーー!

心の中で叫びました。

でも、一度も会話したことない店員に、いきなり、

「パン、美味しかったでしょ?」

と言われて、

「美味しかったよ」

と食べてもないパンの会話に合わせてくれる

心優しい青年よ、幸あれと

感謝いたしました。

クルーさんたちにその話をすると、

「毎日の長時間労働で頭がおかしくなった店長を

哀れに思い、話を合わせてくれたんじゃないですか。」

と辛らつな答えが返ってきました。

にんげんだもの。

間違いはあるさ。

でも、なるべく間違わないようにしたいです。

あまり、気分の良いものではないですからね。

こぐま

こぐま夫婦です。夫こぐま:大学卒業後、某家電メーカー20年勤続後、早期退職。某コンビニチェーンのオーナーを経て某自動車メーカー勤務。妻JJ:大学・専門学校卒業後、不動産会社勤務→某家電販売チェーン地域店舗統括マネージャー→コンビニチェーンオーナー→オーガニック加工食品販売会社経営。毎日の出会い、小さな幸せを大切に生きています。

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