ひとたがい2

JJでございます。

前にも書きましたが、私は少し記憶力が良い方だと

ずっと思っていました。

接客業が長いので、一度お会いした方の顔は忘れません。

それでも、人生において、何度か人間違いをしてしまった

苦い経験があります。

もう、15年ほど前に、母が胃穿孔で緊急入院いたしました。

医療センターで緊急手術をして、10日間ほど入院して

当時のかかりつけの病院へ転院いたしました。

入院期間は12月末から1月末までおよそ1ケ月間でした。

とても弱っていて、医療センターで入浴も1度しかできず、

転院したときに、足の皮膚が乾燥と栄養不良でぼろぼろと剥げている状態でした。

担当医の先生に相談すると、ハンドクリームのようなしっとりとした

クリームを塗れば治ると思いますよと、軽く言っていて、薬を処方してくれませんでした。

近くのドラッグストアへ買いに行きました。

冬の季節なので、多くの種類のクリームが入荷されており、

商品の前で悩んでいると、

薬剤師の方が声をかけてくれました。

母の事情を話すと、商品の成分まできちんと細かく説明をしてくださり、

おすすめの商品を買って病院で母の足に塗りました。

塗ってから、2日ほどで症状が改善されました。

1週間ほど経ってから、例のドラッグストアへ行く用事があり、

先日の薬剤師さんがいらっしゃったので

「先日のクリームが効いて母の足の症状が緩和されました。

 ありがとうございます。」

と話しかけると、

薬剤師さんは、しばらく沈黙した後、

「ああ、それ、僕じゃないです。」

とおっしゃるのです。

はあ?

いやいや、お兄さんですよ。

「僕と、そっくりな薬剤師がもうひとりいるんです。

 多分、そいつなんで、伝えときますね。

 よく、間違われるんです。

 クリームで良くなったんですか?」

えーっーーーーーーーーーー。

絶対にこの人なんですけど。

この人じゃない人がもう一人いる?

私は、目の前の薬剤師さんをまじまじと見ましたが、

この人以外考えられないのです。

髪型は当時はやっていた、短髪でワックスであっちこっちに

セットしてて、黒縁の眼鏡かけてて、

ごついダイバーウォッチつけてて、

ルパン3世みたいな、黒のスリムジーンズの上に

白衣を羽織っている人がもうひとりいる!?

でも、本人がそう言うんならそうなんでしょう。

自分に似た人って、世の中に数人いるっていうけど、

いまでも、信じられない人間違いでした。

自分に”そっくり”なって自覚するんなら、

少しルックス変えればいいのに。

私は、古い人間なので、

人と同じファッションは嫌な方です。

双子コーデとか、特殊なのは除いて、

若い方が2~3人集まっていると、同じような髪型、服装で

「ふーん。区別がつかん。」

と思ってしまいます。

人から、浮かないように、目立たないように、いじめられない様に

窮屈な世の中になったものです。

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