JJでございます。
昼間の日差しが明るくなり、気温も上昇する、
ゴールデンウィーク頃は、近隣の事業所も連休の会社が多く、
当コンビニは客層がガラッと変わっていました。
店前の国道が、県内で有名な観光地につながる唯一の道であるため、
いつもの常連さんではなく、県内外の観光客が多く来店されました。
4月の初旬から、若い女性が2人で、
深夜1時から2時の間、大体1日置きくらいの頻度で
車で来店するようになりました。
コーヒーを1杯ずつ買って、車の中で2人で楽しそうに話しをしていました。
だいたい、1時間くらい、駐車していました。
最初は、店の敷地内の店から少し離れた場所に車を停めていたのが、
店の入り口に一番近い身体障碍者用のスペースに駐車するようになりました。
理由はWi-Fiでした。
店の前に駐車して、2人でずっとスマホのアプリゲームをやりだし、
2~3時間、駐車するようになりました。
夜間、いくら来店客数が少ないとはいえ、
まったくお客さまが来ないわけではありません。
当時、少し離れたところにお住まいの車椅子のご夫婦が
深夜に定期的に来店されて、お買い物をされていました。
当店は比較的に、店内が広く、車椅子で買い物をしやすいとのことで、
利用されていました。
それでも、昼間は他のお客さまの邪魔になってはいけないと、
お二人で深夜に来店されて、ゆっくりと買い物をされておりました。
その若い女性2人組には、何度か、障碍者用のスペースに駐車しないでくれと
注意したのですが、聞き入れてもらえず、
車椅子のご夫婦が、店から少し遠いスペースに停めて店内に
入ってこられるようになりました。
雨の日などは私と深夜勤のクルーが傘をさしてお迎えいたしておりました。
ある日、車椅子のご夫婦が来店される日に、若い女性2人組が障碍者スペースに
また、駐車していたので、
「そろそろ、ご夫婦が来店されるな」と思い、私は
車に乗っている2人に、車を移動してくれないかと申し出ました。
しかし、聞こえないふりをして無視です。
仕方がないので、紙に書いて運転席のガラスに近づけました。
すると、運転席の窓ガラスが開き、
「あたしら、客なんだけど、
なんで移動しなきゃいけないの?
こんなに、広いやん。
どこに停めようと私らの勝手!」
と仰いました。
「ここは、障碍者の方が優先的に利用するためのスペースで、
もうすぐ、ここを利用される方がいらっしゃるのです。」
と私が言うと同時に
車椅子のご夫婦の車が、2台離れた場所に到着されて
駐車されました。
店内から、H本弟君が出てきて、車椅子を降ろすのを手伝い始めました。
私も、若い女性2人組の車を離れ、ご夫婦の介助に向かいました。
ご夫婦を降ろして、ご一緒に店内に入ろうとしたときに、
若い女性2人組が車から降りてきて、店の入り口を塞ぎ、
「車椅子とかでコンビニ来るんじゃねーよ、私ら客に迷惑なんだよー!」
と車椅子のご夫婦に向かって、柄の悪い口調で言いました。
私とH本弟君と車椅子のご夫婦は、何が起こったのかわからず、
立ち尽くしていましたが、とりあえず、
驚いたご夫婦を店内に2人の間をすり抜けてご案内し、
若い女性を駐車場へ誘導しました。
次の瞬間、私は猛烈に腹が立ち、思わず
「はあ、誰がお客さまだ?」と言ってしまいました。
すると、
若い女性1:「あたしらは常連なんだよ!」
JJ:「コーヒー1杯で偉そうにすんじゃねえ!邪魔なのはお前らだよ。」
ご夫婦を罵倒されたことで、普段からこの2人に対して思っていたことが
口から、飛び出してしまいました。
若い女性2:「コンビニの店員のくせに、客にそんな口きいていいのかよ!」
JJ:「おまえらは迷惑な客なんだよ。」
若い女性1:「お前、お客さまは神様って言葉知らないの?
うちの親がよく言ってんだけど、
客を大切にしない店はつぶれるって。
ここも、はよつぶれろや!」
JJ:「お客さまは神様だったら、お前ら神様なの?
神様って偉い人だよね。
偉い人が体の不自由の人の邪魔をして、ひどい言葉言うの?
そんなの神様じゃなくない?」
私がそう言うと
2人は黙ってしまいました。
そして、車に乗り込み、大音量で音楽をかけ始めました。
店内に戻ると、車椅子のご夫婦が、特に奥様が泣きそうな顔になっており、
「店長さん、私たち、ずっとお店にご迷惑かけてたんですね、
ごめんなさい。ごめんなさい。」
とおっしゃいました。
「いえ、全然、そんなことないです、あの外の2人組、
ちょっと問題があるようなんで、気にしないでくださいね。」
買い物を済ませてご夫婦を車までお送りしていると、大音響の中、
「障碍者、ジャーマー、ジャーマー」
と窓を開けて若い女性2人が叫び始めました。
呆れと怒りがこみあげてきましたが、
冷静を装い、ご夫婦を車に乗せました。
私が、外で口論になっているときに、
こぐまさんが警察に連絡してくれていたので、
ちょうど、パトカーが到着しました。
「やばっ。」と逃げようとする2人組の車の後ろに
パトカーがぴったりとつけてくれて逃げられませんでした。
警察官が2人降りてきて、車から出てくるように促しましたが、
2人は車のドアをロックして、音楽を大音響で流し続けました。
窓ガラスを叩いていましたが、無視するので拡声器で
「音楽を停めてください。車から降りてください。」
と何度か呼びかけると、運転席の窓ガラスが開きました。
そして、一声目に運転席の女性が
「店長にひどいこと言われましたー。」と被害者面して言いました。
しかし、店の真ん前に停めているので、
彼女らの行動はすべて、防犯カメラに残っており、
警察へ連行されました。
警察からは、
「障碍者の邪魔をして罵倒するなど、とんでもない行為です。
厳重注意しました。
近隣の大学に新入学した1年生です。
未成年なので、親にも連絡とりました。
親も親で、
”なんでうちの子が悪いんだ!
どんなことがあっても、お客さまは神様なのに。
コンビニの店員を逮捕せよ!”
を繰り返して言ってました。
店長、気持ちはわかるけど、相手にせずに、すぐ、警察呼んで。」
と言われてしまいました。
つい、カッと熱くなってしまいましたが、
若い女性が、社会的に弱い立場にある人間に対して、
そういう認識を持っているという事がとても、ショックでした。
人間は明日、何が起こるかわかりません。
若くても、事故にあったり、病気になったりしてある日突然、
自分が車椅子を利用する生活になるかもしれないのです。
他者を思いやれない女性が、これから親になり、子育てをするのかと
思うと、これからの日本を憂れずにはいられませんでした。
その日から、車椅子のご夫婦は来店されなくなりました。
もっと、早くご夫婦が傷つかないように
強硬に対策を取るべきだったと思い、深く反省いたしました。
当店じゃなくても、他店で、気持ちよくお買い物されていればいいなと
祈るしかありませんでした。
今でも、思い出すと胸が苦しくなる出来事でした。
もう、会えないひとも、どこにいても毎日、
心が安らかに過ごせますように。