JJでございます。
販売・接客の仕事をしている方には、解っていただけると思いますが、
やはり、お客さまの態度が非常に悪い場合、
強いストレスを感じます。
コンビニを経営しているときには、近隣が穏やかな地域でなかったため、
心に波立つ出来事が毎日のようにありました。
ある早朝のラッシュが終了した日、深夜勤のH本弟君が
バックルームで
「あーっ、あの客むかつくーーー!タヒねーーー!」
と何度も叫んでいました。
店のカウンターにいた私に聞こえるほど、大きな声だったので
私は驚いて裏へ駆け込みました。
JJ:「どうしたの?店まで聞こえてるよ。物騒なことを言うんじゃないよ!」
とH本弟君を叱りました。
H本弟:「店長はあの客、腹立たないんですか?
毎日、朝忙しいのに、細かくレジ袋へ入れる指示してくるんですよ!
ポイントカードも後出しで、ポイントつけろって、
レジ、全部打ち直しなんですよ。確信犯です。愉快犯です。
何枚、レジ袋分けるんだよ!
もう、限界です。
なんだかなあ。」
と頭を抱えて、部屋の中をぐるぐると歩き回っていました。
当時、近隣の学校の教諭で神経質なのか、
朝のラッシュ時に、お客さまが大勢ならんでいるにも関わらず、
細かい指示をいちいち出してくるお客さまが
いらっしゃいました。
JJ:「腹立つけど、タヒねはいけないよ。」
H本弟:「じゃ、なんて言えばいいんですか?
本人に言わないように我慢してるんですよ!」
JJ:「えっ、本人にタヒねとか言ったら大問題だよ。
すぐ、本社にクレームというか、それどころじゃすまないよ。」
H本弟:「もう、気が収まりません!」
うーん。
確かに当店のクルーさん皆、嫌な思いをしているお客さまでした。
JJ:「でも、感じ悪いお客さまってあの人だけじゃないじゃない?
もっと、むかつくお客さまいるよ。」
H本弟:「店長は、むかついたとき、どうしてるんですか?」
JJ:「・・・」
H本弟:「どうしてるんですか?」
JJ:「はっきり言って、タヒねと思うこともあるよ。」
H本弟:「ほら、そうでしょ。同じじゃないですか。」
JJ:「でも、言葉にすると言霊ってあるじゃない。
人を呪わば穴二つって、自分に返ってきそうだから言わないよ。」
H本弟:「えっ、そうなんですか。自分、タヒんじゃうんですか?」
JJ:「いや、タヒなないよ。」
H本弟:「いやーーー!なんか、余計に腹立ってきたーーー!」
そこへ、早朝勤のI君がやってきました。
H本弟君と私のやりとりを聞き、こう言いました。
I:「僕は、いつも、心のなかで
”こいつ、風邪ひけっ!”って思いますけどね。」
JJ:「えっ、風邪?」
I:「だって、タヒんだら、楽になるけど、
風邪ひいたら熱でたりとか、しんどいじゃないですか。」
JJ・H本弟:「確かに!」
JJ:「でも、人にしたことは返ってくるよ。
ネガティブな感情は持たない方がいいんじゃないの?」
I:「そうですね~。」
そんな話をしながら、9時になり、昼勤のK﨑さんとO野さんがやってきて、
むかつくお客さまの話を、I君たちと話していました。
K﨑:「私は、骨折しろとか思ってるけどね。
だって、骨折ると、長引いてお風呂とか不自由だし、痒くなるし。」
JJ:「ちょっと、K﨑さん、そんなこと思ってるの?」
K﨑:「そりゃ、私たちだって人間ですもん。
お客さまの奴隷じゃないです。
度を越えたマナーの悪い客には、そう思いますよ。」
しかし、クルーさんが毎日、誰かに
”タヒね”とか、”風邪ひけ”とか、”骨折しろ”とか思うのって、
精神が健康でない気がするのだが。
O野:「偉い人の本で読んだんですけど、
ネガティブな感情は口に出していいんですって。
我慢すると、体に悪いんですって。
ネガティブな感情、吐き出して、そのあと、
”今の無し”か“今の嘘”って言えば、
帳消しになるって書いてありました。」
H本弟:「いいじゃないですか!それ、いただきです。
それなら、店長が言ってた自分に返ってくることも
なくなりますよねー!」
本当に?偉い人って誰?
“今の無し”でいいの?
それから、しばらくクルーさんの間で、
接客が終わったときに、”今の無し”と言うのが
流行してしまいました。
H本弟君は、接客時に顔が引きつっていることがあっても、
暴れることもなくなり、穏やかになりました。
ある夜、私が品出しをしていて、
H本弟君が接客をしていたのですが、
ちょっと癖の強いお客さまだったので
大丈夫かなと見ていると、お客さまの嫌な態度を受け流し、
見事にレジを終了していました。
そして、お客さまが出てゆく姿を見ながら、
カウンターの中で、目を閉じて合掌していました。
そして、にこやかに
”今の無し”と言って作業に戻りました。
一体、合掌して祈ることって、
どんなことを考えていたのか
まあ、無しになるからいいのか。
来店時に悪い態度のお客さまは大勢いらっしゃいますが、
それも”縁”で、反面教師だと思っています。
”人の振り見て我が振り直せ”
そして、そういうお客さまと接することで
自分の課題のひとつがクリアできるのかなと思います。
毎日の出会いに感謝。