深夜勤のH君の大暴走は、眼鏡を作ってきた後も、
毎日、続いていましたが、
早朝勤のクルーさんが、朝ラッシュ前に店内を
見回って棚を確認することで、少しづつ落ち着いてきました。
お客さまも、あってはならないことですが、
「店長、○○戻しといたよ。」
などと、心優しい方もいらっしゃり、
情けなく、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
H本君のワンオペが10日ほど経ったとき、
早朝に私がシフトに入ることがありました。
私が来るなり、H本君が近寄ってきました。
H本:「店長ー、聞いてくださいよー。
この前、仕事終わって歩いて帰ってたら、
”よう、I町店の暴れん坊!お前、やらかしているじゃん!”
って車の中から声かけられたんですよー。
自分、なんで”暴れん坊”なんですか?」
暴れん坊じゃないよ、テロリストだよ。
JJ:「誰に言われたの?」
H本:「青いつなぎの背の高いヤンキー眼鏡の黒のホープの人ですー。」
ああ。
近くの工場勤のお得意さまだ。
JJ:「この頃、売り場が誰かが作った宝島になってて
パニックだから、このあたりで
噂されてるんじゃない?」
H本:「えー、センスの無い人たちだなあー。
生活に余裕が無いのってダメっすよね。」
それは、毎月10万以上課金しているお前だろう!
それはそうと、毎日、ワンカップ大関の赤と青が1本ずつしか
置かれていなくて、お客さまが隣の鬼ころしの後ろから、在庫を取って、
レジにいらっしゃることが続いており、クレームになっていました。
JJ:「ワンカップ、ずーっと1本しか置かないけど、
もう、いい加減にしなさいよ。
いやがらせだよ、お客さまに対して失礼でしょ。
一体、何なの?」
H本:「いやがらせじゃありません。
罰を与えているんです。」
はあ?
誰に?
なぜ?
罰って、あなた、裁判官ですか?
JJ:「ちょっと、わからないんだけど。」
H本:「外の、灰皿、夜中に自分が掃除するときに、
いつも、ワンカップのフタが捨てられているんです。
毎日ですよ。
危ないし、面倒なんで、
どんな人が捨ててるのか
この前、カメラで根気よく探したら、
毎日、夕方、高級な自転車で
オレンジ色のダウンを着た、額が猫の耳の形のおじさんが
ワンカップの青を買って、店の前で飲んで
たばこの吸い殻と一緒に
フタを捨ててたんですよ。」
ああ。
近隣の事業所の部長をしているお得意さまだ。
確かに毎日、ワンカップを1瓶飲んでから、帰っている。
しかし、フタを灰皿に捨てていることは知らなかった。
というか、深夜にひとりで、ずーっとカメラ調べたりして
何してるんだよ!暇なのかよ!
ちゃんと売り場作らずに、そんなことしてるのか!
H本:「自分は夕方いないんで会えないから、
あの人が、ワンカップ買えないように
隠してるんですー。
あの人、アル中ですよねー。
顔、真っ赤ですもん。」
JJ:「でも、赤と青、両方を隠す必要ないでしょ。
青しか買わないじゃない。」
H本:「店長ー何言ってるんですか!
あの人は、青なかったら赤買うんですよ。
自分、それも、実験して確認済みです。」
実験?
もう、やめてくれよ。
本当に何やってるんだよー!
JJ:「私が、お客さまにフタを捨てないようにお願いするから、
ワンカップ、戻してくれる?
このままじゃ、時給1000円、払えません。
最低賃金まで下げて、その差額を
他の時間帯のシフトのクルーさんが、宝島に苦労しているから、
深夜勤以外の時間帯の時給に回そうと思ってるんだよね。」
H本:「えーーーーーーーー!」
H本:「困りますーーーーーーーーーー!」
JJ:「うちも、みーんな困ってますー!」
H本:「わかりました。あきらめます。
今月末、支払いが12万くらいあるんで、
背に腹は代えられません。」
JJ:「フツーに、プライスカードの所へ
商品おいてください。
余計なこと、考えなくていいです。
お客さまが買いやすい売り場の土台を作るのは、
深夜勤にしかできないんだよ。
責任重大なんだから、
お客さまのこと考えてください。
お客さまが喜んでくれるのが
一番でしょ。」
H本:「しょんぼり。」
しょんぼりとか言葉で言うな!