JJでございます。
先日、近隣の家電量販店に行ったときに、
マッサージチェアのコーナーでの注意の貼り紙を見ました。
「マッサージチェアのご使用は30分以内でお願いいたします。」
との内容でした。
私が、家電の販売をしていた時に、当店でマッサージチェアに関する事故がありました。
11月の初旬から、何度かマッサージチェアを試しに来られる
40~50代の女性がいらっしゃいました。
担当が何度か接客したのですが、商品の説明などあまり聞いていただけず、
とりあえず、マッサージチェアに座りに来ているのだなと、
店舗スタッフ全員が認知していました。
マッサージチェアをお使いの方はご存じかもしれませんが、
取り扱い説明書には、ほとんどのメーカーが1回の使用を1コース20分程と定めてあります。
当店のデモ機にも、サイドに取り扱い説明書やカタログを置いており、
ご購入を真剣に考えていらっしゃるお客様は、
ご覧になってから、試されていらっしゃいました。
その女性は、マッサージチェアに座る時間が来店ごとに長くなってゆき、
当店でも、使用時間の注意の貼り紙をいたしました。
12月の初旬でした。
その日も、昼の12時10分過ぎに来店され、マッサージチェアに座って試されていました。
1コースを終えたころの12時30分過ぎに、担当がお声がけをしたものの、
目を閉じて座ったまま、お返事がありませんでした。
年末で店内が混んでいたこともあり、担当も売り場から外れ、
他のお客様の接客をしていました。
マッサージチェアに深く沈み、見えなくなっていた
誰もが、その女性の存在を忘れていた午後1時40分過ぎに、
マッサージチェアの売り場から、
「痛いー!」
と大声で叫ぶ声が聞こえました。
スタッフが駆け付けると、例の女性がマッサージチェアの前で
右手を左手で抑えてうずくまっていました。
「大丈夫ですか?どうされました?」と担当が尋ねると
「立ち上がったら転んだのよー。手が痛いー。」
と叫ばれるので救急車を呼ぼうとしましたが、
「帰るから、家まで送って。」
とおっしゃいました。
お客様は当店でのお買い物の履歴はなく、ご自宅をお聞きして
店長が、店舗営業車でご自宅までお送りいたしました。
店長がお客様を送り届けてから、店舗に戻ってきたので
様子を聞くと、とても痛がっていたのでご自宅ではなく、
近隣の救急病院へ連れて行ったそうです。
そこで、店長は診察を待ち、診断を聞くと
右手首の骨折とのことで、店長はご自宅に送り届ける途中で
お菓子を買ってお見舞いとしてお渡ししたそうです。
次の日の朝、消費者センターから電話がありました。
「お宅のマッサージチェアに座って怪我をした女性が来て、
マッサージチェアに問題があるから、調べてくれと言っているので
事情を聞かせてください。」
とのことでした。
そして、同時に座っていたマッサージチェアのP社の支店長から電話がありました。
「うちのマッサージチェアで怪我をしたと本社に電話がかかってきているのですが
どういう経緯でしょうか。」
とのことでした。
改めて、マッサージチェアのコーナーを映している防犯カメラを確認しました。
女性は約1時間30分の間、マッサージチェアを試していました。
1回コースが終わると、また、コントローラーを操作して
続けて5回、試されていました。
当店のスタッフがお声がけしたときに、眠ったふりをしていたのか、
スタッフが、傍を離れると同時にまた、操作をして試されていました。
そして、長時間の施術後、立ち上がった瞬間によろけて、前に手をついて倒れていました。
すべて、映像が残っているので、コピーして消費者センターとP社に渡しました。
そして、約1か月前から、マッサージチェアに座りに来ていたので、残っている映像も全て
お渡しして、事情を説明いたしました。
当店でも、何度もお声がけや貼り紙をして、注意を促していたことなどが認められて
消費者センターの担当の方にもご理解いただきました。
消費者センターからご本人に
「お店とメーカーには、何の落ち度もなく、全国でもこのような事故は起こっていない。
お店の警告を無視したあなたに問題があるのではないですか。」
と伝えていただけたようで、当店もP社も安堵いたしておりました。
しかし、3日後、また女性が消費者センターに来て
「スーパーでパートで働いているのだが、レジ打ちができないので
シフトから外された。その間、家計が苦しくなるのでそのパート代を当店と
P社に払ってもらいたい。民事裁判で訴えたい。やりかたを教えろ。
危ないマッサージチェアなら、もっと強く警告すべきだ。」
とおっしゃったそうです。
消費者センターの担当もあきれて、
「自分のしたことを棚に上げて、民事裁判など起こすとご自分が恥をかきますよ。
お見舞いのお菓子までもらっておきながら図々しいのではありませんか。」
と強く言ってくれたそうです。
年々、家電の取り扱い説明書は厚くなって、
「こんなことまで、書かなくても。」
「こんなことする人いるの?」
と思われることも、細かく明記されています。
世の中には、いろいろな考えをする方がいて、
ご自分の考えで過剰な使い方をした結果、事故が起こった→
メーカーにクレーム→取扱説明書に明記。
ということも多いのです。
YOUTUBEなどで、家電の裏技等、人気があるようですが
事故で取り返しがつかない事態になる前に、
とりあえず、家電をご購入されたら、取扱説明書をきちんと読んでからの
ご使用をおすすめいたします。
取扱説明書って面白くて、勉強になりますよ。